腹部超音波検査

こころとからだの元氣プラザ
消化器科医 八巻悟郎

メタボチェックの重要所見も

腹部検査超音波検査は、非侵襲的すなわち人体にほとんど悪影響を及ぼさない検査で、受ける側の苦痛が全くと言っていいほどありません。上腹部にゼリーを塗り、超音波を発生・送信するプロ一ブとよばれるものを体に当て検査します。

ゼリーを塗るのは、超音波が空気中を伝わりにくい性質があるため、プローブを体にきちんと当て空気のすき間をなくすためです。これは超音波が水中をほとんど弱まることなくまっすぐ進む性質をうまく応用した検査ですが、空気に対しては一歩も進めないという弱点があり、胃腸や肺などの空気を含む臓器の診断にはあまり効果がありません。主として肝臓、腎臓、膵臓、脾臓などの「中身の詰まった臓器」と、胆のう、大動脈などの「中に水のようなものをいれた臓器」が検査の対象になります。

その結果、良性疾患としては、脂肪肝、胆のうポリープ、肝のう胞などが多く発見されます。脂肪肝はアルコール性肝障害、肥満、高脂血症などと密接な関係にあり、メタボリックシンドロームなどの危険群のチェックに重要な所見です。また胆石、腎結石などの診断も可能です。

これらは発見されても直ちに治療が必要ではなく、無症候性胆石あるいは無症候性腎結石といって、一生症状を起こさないものも相当数あります。悪性腫瘍としては、肝臓がん、胆のうがん、膵臓がん、腎臓がんなどがあります。

これらの疾患は、超音波検査だけですぐに確定診断がつくものではなく、まず超音波検査でなんらかの異常を指摘され、精密検査(CT、MRI、血管造影など)で診断されることが多いのです。特に膵臓がんは、臓器の解剖学的な位置関係から超音波検査では十分に観察しがたいですから、なんらかの検査で精密検査が必要となった時には面倒がらずに精密検査を受けることです。

 

(元氣プラザだより:2015年2月号更新)

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