健康増進に役立つ、家庭での血圧測定とは

医療法人社団 こころとからだの元氣プラザ
循環器内科 栗原 由美子
(元氣プラザだより:2014年6月号更新)

2014年4月、高血圧治療ガイドラインが5年ぶりに改訂されました。新しいガイドラインでは、家庭血圧測定がますます重要視されており、家庭血圧測定方法、血圧の分類など、従来と変わった点もあります。この度、「家庭血圧測定ノススメ」を再録するにあたり、内容を新しいガイドラインに則して書き直しました。また、当所の健診受診者14万人のデータを分析した結果も出ましたので、合わせてご報告致します。

表:成人における血圧値の分類(mmHg)-(JSH2014より)

健診や人間ドック、診察室での血圧は、上記の表のように分類されます。

140/90mmHg以上を高血圧とする基準値は、ガイドラインが改訂されても、変わっておりません。この基準値は、本邦の疫学データを含む世界中100万人規模のデータを解析した結果から、心血管疾患発症のリスク、総死亡の増加(倍増)が認められた血圧の値によって定められました。家庭で測定する場合は、それよりも5mmHg低い、収縮期血圧135mmHg以上、もしくは拡張期血圧85mmHg以上が、高血圧に該当します。

平成24年度、当所で血圧測定を含む健診を受けた13万9,910人(10代から70代までで、30代から60代までが8割を占める)のうち、16.8%(23,435人)、約6人に一人が、高血圧(治療中12,442人も含む)でした。

厚生労働省が行った平成22年度の国民調査では、30歳以上の男性の60%、女性の45%が高血圧(治療中を含む)に該当しており、高血圧は日本人にとって、非常に身近な問題です。

では、健診や人間ドック等で、血圧が高いと言われたら、どうしたらよいのでしょうか?
高血圧の指摘を受けたら、まずは、ご家庭での血圧測定をお勧め致します。既に高血圧治療中の方は、主治医の先生から、家庭血圧測定を指導されていることでしょう。

家庭で血圧を測定することは、自分の普段の血圧を知ることができるだけでなく、診察室では緊張して血圧が上ってしまう「白衣高血圧」、その逆に診察室では正常血圧を示す「仮面高血圧」の発見にも役立ちます。

また、高血圧の方の半数以上は、脳卒中のリスクが高い「早朝高血圧」にも該当すると言われており、既に降圧剤によって外来血圧が良好にコントロールされている場合でも、家庭での朝の血圧が高い場合などは、早朝高血圧がある可能性が示唆されます。

今回のガイドラインでは、「診察室血圧と差がある場合は家庭血圧による診断を優先する」と明示されており、家庭血圧の臨床的価値は診察室血圧よりも高いことが認められているのです。

ご自身で血圧を測る際は、直前に、運動、食事、飲酒、入浴、喫煙、カフェインを含む飲料等、血圧に影響を与えることを避けて下さい。例えば、朝でしたら、「起床後1時間以内、排尿後、座位1-2分の安静後、降圧薬を服用している人は服用前、朝食前」に測ることが推奨されています。晩は、就寝前に測定して下さい。血圧は、2回測って平均を記録するようにしましょう。5日(5回)以上の平均値をみて、朝・晩、それぞれの平均値が135/85mmHg以上である場合は高血圧と評価されます。家庭血圧でも血圧が高い場合は、その記録を持って外来を受診して下さい。

既に血圧の治療を受けている方で、糖尿病や腎機能低下(蛋白尿陽性)のある方は、上記よりもさらに厳しく、家庭血圧の降圧目標値は、125/75mmHg未満となります。逆に、後期高齢者の家庭血圧の降圧目標は、145/85mmHg高めに改訂されました。高血圧治療中の方の降圧目標値については、主治医の先生にお尋ねください。

 

ご精読ありがとうございました!

 

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